バイオマス熱硬化性樹脂とは

漆器、それは天然木と漆を生かした日本伝統の食器です。その優雅さ、やさしさ、物静かな風合により、古来、私達に親しまれ、愛されています。

しかし最近、安価性および耐久性を求めて合成樹脂から作られるいわゆる合成漆器が主流になりました。このような合成漆器は天然木本来特有な風合いがないだけでなく、原料は化石資源ゆえに、漆器が本来有する環境と調和する重要な一面が失われてきました。

EBM樹脂(仮称)は、京都大学白石信夫名誉教授の 指導のもとに、開発された新しい漆器用成型材料です。成型材料に使用されている樹脂は、従来の化石資源由来樹脂ではなく、本来漆器に使われている木材を原 料にしています。従来の合成漆器の成型の利便性を保ちながら、70%前後は木材成分が含まれている画期的な成型材料です。したがって、化石原料由来の合成 漆器より一層天然木に近い風合いを有する漆器が得られます。また、天然の成分が多いので、使用時の人体においても、廃棄段階の環境負荷においても、より 「人と地球環境の優しい素材」です。

●商品規格の決定(JIS or 食品衛生法)
日本の伝統工芸である、「漆器」の直接食器は、従来通り「合成樹脂製の容器」との見解により、工業製品のJIS規格ではなく、あくまでも食品衛生法第370号に適すもので有ればよい。
(見解機関:石川県薬事衛生課及び石川県工業試験所、（財）石川県予防医学協会)

●食品衛生法試験(内外ウレタン塗装時)
内面を合成樹脂塗料でコーティングした木質バイオマス樹脂は、昭和34年厚生省告示第370号による衛生試験に合格しています。なお、その成績は、次の通 りです。ホルムアルデヒド、フェノールは陰性、溶出重金属、鉛、カドミウムは10ppm未満、4%酢酸による蒸発残留物は、3ppm以下です。
(検査機関:財団法人　石川県予防医学協会)

●ウレタン塗料及び漆との密着性について
ウレタン系塗料には反応基としてイソシアネート（NCO-）基があります。それらがウレタン塗料中の水酸基（OH-）やアミノ基（=NH2）と科学反応して三次元的に硬化し塗膜を形成します。

塗装される相手の成型母材に、マトリックス樹脂の木質バイオナス樹脂や、充填剤として加えられている木粉にも水酸基がたくさんあります。これらの水酸基も ウレタン塗料内のイソシアネート基と科学反応ができるので、ポリウレタン塗膜と母材表面との間に化学結合が形成できます。化学結合は通常の付着などの物理 結合よりはるかに強い結合力を有しますので、熱水洗浄にも耐えうる付着性の強い塗膜が実現されたといえます。
【漆器用の追加:実用新案:出願準備中】(見解：京都大学名誉教授　白石信夫先生)

●環境ホルモンについて(ビスフェノールA、スチレンモノマー、ダイマー、トリマー、フタル酸エステル類)
近年課題となっている、環境ホルモン(ビスフェノールA等)については、フタル酸ビス等を原材料として用いてポリ塩化ビニールを主成分とする、合成樹脂を成型することに由来しております。

この製品は、これらの原材料をまったく用いず、木質バイオマス樹脂や木粉をベースとして形成しており、環境ホルモンに関しても安全な製品でると思われます。

このことから、ビスフェノール等の環境ホルモンに関しての試験は、割愛しても支障がないと思われます。
(見解機関:石川県環境安全部廃棄物対策課資源循環推進室及び石川県予防医学協会)

●食品衛生法　検査対比結果
衛生試験(内外ウレタン塗装時)　石川県予防医学協会　食品検査　第1503627号
食品検査　第1503627号　第3000916-01号　第3003401-01号

	基準値	EBM樹脂 塗装時	結果	EBM樹脂 塗装無し	欅汁椀 塗装無し
ホルムアルデヒト	4ppm	陰性	適合	陰性	陰性
フェノール	30ppm	陰性	適合	陰性	陰性
重金属等	1ppm	1ppm未満	適合	1ppm未満	1ppm未満
鉛、カドミウム	100ppm	10ppm未満	適合	10ppm未満	10ppm未満
蒸発残留物4%酢酸	30ppm	3ppm	適合	83ppm	311ppm

※原料時：木質成分有率　66%〜68%　+/-3%　(当社調べ)
※完成時：木質成分有率　68%〜70%　+/-3%　(当社調べ)
※残数:木粉反応フェノール樹脂　約20%〜27%、硬化剤、促進剤、離型剤等(当社調べ)

※『EBM樹脂塗装無し』蒸発残留物4%酢酸の結果は、木粉の成分が多く含有されている為に木製品に本来に含まれる成分が多く出て来ると思われます。

京都大学名誉教授　白石信夫　先生

経歴
1959年3月	京都大学農学部　卒業
1961年3月	京都大学大学院農学研究科博士課程　修了
1961年4月	京都大学農学部　助手
1964年8月	京都大学農学部　助教授
1986年4月	京都大学農学部　教授
1995年4月	京都大学大学院　教授
1974年〜1975年	米国ノースカロライナ州立大学博士研究員
1985年〜1986年	仏ボルドー大学客員助教授
1996年6月	(株)ウチキと漆器用木質バイオマス樹脂の研究開始
2000年3月	京都大学停年退官
2000年4月	京都大学名誉教授、 フジカーボン(株)グリーンテック開発部顧問 日揮プロジェクトサービス�褐ﾚ問 (株)ウチキと漆器用木質バイオマス樹脂の開発の本格的な着手
2002年10月	ジーザック(株) 　京都研究室　室長
2003年02月	漆器用木質バイオマス樹脂 完成品

著書
「Wood　and　Cellulosic　Chemistry」	（共編、共著　Mercel Dekker Inc）
「実用化進む生分解性プラスチック」	工業調査会　K Books Series154.
「生分解性プラスチックの実際技術」	(株)シーエムシー
「ウッドケミカルスの最新技術」	(株)シーエムシー
「グリーンプラスチック最新技術」	(株)シーエムシー ほか

---

産婦人科　医師　打出喜義

私は産婦人科医ですが、この25年間をお腹の赤ちゃん、生まれたばかりの赤ちゃんに接してきて思ったことは、私達がこの小さなもの達を守り育てるには、どうしても環境問題を考えなければならないと言う事です。

いくら一人一人が、自分なりに健康に生きようとしても、私達の環境が汚染されてしまっていたのでは、健康に生きられるはずはありません。

人々はこの事に気付き、今の便利さに多少目を瞑ってでも、今の自分達の生活を多少犠牲にしてでも、環境にやさしい暮らしをしなければならないと思い始めました。

環境にやさしく暮らすとは、循環型社会、つまりなるべく余分なエネルギーを使わずに自然から戴いた物を自然にお返しする社会を築く事だと思います。

こうした観点からすると、この漆器の素材は、その90%以上が自然の木材であり、それを焼却する際にもダイオキシンなど有害物質の排出量は従来のプラス チック製品と比して格段に少なく、土に埋めておけば自然に土に帰る特徴を持っている事からすると、環境に優しい製品と言って良いでしょう。

この様な環境指向型の製品がどんどん市場に出て来ることによって、子供達の未来の環境が少しでも良好に保たれる事を願って止みません。

---

熱可塑性樹脂アグリウッドとは

アグリウッドは、バイオマス（植物由来資源）と熱可塑性樹脂を特殊相溶化技術（特許出願済）で複合化した、各種成形性に優れた環境に優しい画期的なバイオマスプラスチックです。

アグリウッドは、バイオマス循環型社会の形成と地域新産業の育成のため、全国のモデルとして日本及び農林水産省の支援を受け整備した設備により製造されています。

アグリウッドは、「(社)日本有機資源協会　バイオマスマーク事務局認定・バイオマス商品」です。

---

熱可塑性樹脂アグリウッドの特徴

・国産バイオマスの利活用により科学資源を節約できます。
・二酸化炭素（CO2）の排出削減に貢献します。
・有毒ガスの発生が無く焼却灰も殆ど発生しません。
・袋に関しては、「生分解性の機能」を付与することもできます。
・通常の加工整備（温度条件等調節必要）で製造することができます。
・静電気の発生が一般プラスチック製品に比べ著しく少なくなっています。
・一般プラスチック製品に比べ商品の耐熱性が良く各方面から高く評価されています。
（製品耐熱温度　木粉：130度〜150度　米：100度〜110度）メーカー実験値
・リサイクルもでき原料として再利用が可能です。
・食品衛生法　対象外（バイオマス比率が50%以上の為）（過マンガン酸カリウム消費量を除く）
厚生労働省認証済み　食品検査　適合　検査機関名：(財)石川県予防医学協会

バイオマスの特徴が活かされたプラスチックです。
花粉対策で伐採される杉材や食べられなくなったお米が利用されています。

---

熱可塑性樹脂アグリウッド製品

＜木になる木になるプラスチック＞
木の剛性と温もりを持ち、耐熱性・寸法安定性に優れています。
●山中漆器、学校給食用/医療関係用トレーや食器などに利用されています。


＜お米の国のプラスチック＞
成形性に特に優れ、射出・押出・フィルムなど各種成型が可能です。
●建築材料、包装容器、コンビニ容器等のワンウェーの商品に広く活用が見込まれています。


フィルム成型「ライスポリ」は、ゴミ袋・レジ袋・米袋などに適しています。
●生ゴミ袋（レジ袋）などに利用されています。

---

---